外壁用高耐候シーリングの性能比較

外壁シーリングでメンテナンスコストが大きく違います!

外壁のライフサイクルコストを考えるうえでは、外壁本体の初期購入費用・張り替え費用のほか、シーリングの打ち直し費用も忘れてはなりません。

シーリングの打ち直し費用は、再シーリングに約25万円、足場を組むのに約35万円、合計60万円程度もかかっちゃうんです。

60万円といったらゼッキーの手取りの2〜3ヶ月分にもなります。子供が大きくなった頃に出てくるであろうこの出費は、親としてはなんとしても避けねばなりません!

そこで、ゼッキーは耐久性に優れるシーリング材を採用すると強く天に誓うのでした。

ゼッキーの家の耐候性シーリングの候補として検討したのは以下の2種類です。ニチハにもプラチナシールという高耐性シーリングがありますが、見積を取ったところ20万円近くもしたので、検討から外しました。

  • KMEW スーパーKMEWシール
  • 旭トステム(AT) 高耐候シーリング

スーパーKMEWシーリング

まず、「スーパーKMEWシーリング」です。これは外壁メーカーのKMEWが開発した高耐候・防汚染シーリングです。社名の頭に「スーパー」をくっつけただけなんて、なんだか安易なネーミングですね。

画像にも「おすすめ」なんてつけちゃったりして。ただし、この「おすすめ」マークをつけるのにはちゃんとしたワケがあったのです!

スーパーKMEWシール

↑スーパーKMEWシール(KMEWのホームページからお借りしました)

スーパーKMEWシーリングのメンテナンスは30年に一回でOK!

スーパーKMEWシールのすごさはシーリングの打ち替え頻度の少なさに現れてきます。

下の点検頻度の図をご覧ください。通常のKMEWシールとスーパーなKMEWシールの点検頻度を比較したものです。

スーパーKMEWシール メンテナンスサイクル

↑スーパーKMEWシールの打ち替えは30年後でOK♪(KMEWのHPからお借りしました)

通常のKMEWシール(スーパーがついてないやつ)は約10年ごとに打ち替えが必要です。

その一方、なんとスーパーKMEWシーリングなら、打ち替えは30年に一回でOKと言っています(10年・20年に部分補修いるかもと弱気ですが・・・)。

スーパーKMEWシーリングの効果は試験で実証済

スーパーKMEWシールの耐候性はKMEWが実際に試験を実施して確認しています。

確認しているのは、「ひび割れ」と「色あせ」です。下の2つの図をご覧ください。KMEWのHPからお借りしたスーパーKMEWシールの耐久性試験結果です。

スーパーKMEWシール 促進耐候性試験結果(ひび割れ)

↑加速試験で30年以上相当ひび割れなし(KMEWのHPでお借りしました)

スーパーKMEWシール 促進耐候性試験結果(色あせ)

↑加速試験で8年相当まで色あせなし(KMEWのHPでお借りしました)

「ひび割れは30年まで大丈夫」、「色あせは8年まで大丈夫」、と謳っています。

ちなみに、この30年とか8年とかの期間には注意が必要です。

「加速試験」の結果だからです。

30年の耐久性を保証するために天日に30年もさらして試験結果を待っていては新商品を出せるのが30年後になっちゃいますので、実際の環境よりも厳しい環境で試験します。これを加速試験といいます。

サンシャインウェザオメータ試験という加速試験方法で、250時間が約1年に相当します(24時間×365日÷250時間≒35なので、35倍の加速試験です)。

ほんとに30年経ってもひび割れが生じないのかどうかは、自分の目で感じましょう!ちなみにゼッキーはもう還暦の頃です。

さて、ここでゼッキーは一つ腑に落ちないところがあります。ひび割れは30年大丈夫といっている一方、色あせは8年まで大丈夫と言っています。これでは、色あせは30年もちません、と宣言しているようなものです。

現状で色あせについては我慢するしかないようです。

旭トステム高耐候シーリングは10〜15年しかもたない!

さて、次はもう一つの高耐候シーリング、旭トステム(AT)の高耐候シーリングについてみてみましょう。

こっちは特に高耐候シーリングにつけたネーミングはありません。スーパーKMEWシールに比べてインパクトに欠けます。

旭トステム、高耐候シーリングにかける思いが足りないようです。

では旭トステムの高耐候シーリングの打ち替え時期について見てみましょう。下の図をご覧ください。ちっちゃくてすみません。

旭トステムATの高耐候シーリング メンテナンスサイクル

↑旭トステムの高耐候シーリングは10年〜15年ごとに打ち替えが必要(ATのHPからお借りしました)

な、なんと旭トステムのシーリングは高耐候シーリングと言っているにもかかわらず、メンテナンスの目安は10年〜15年に一回と書いてあるではありませんか。

しかもこのメンテナンスの目安は「目地底まで達する目地切れなど目地に著しい亀裂・断裂が起こった場合」とのことです。

30年までひび割れすらないと言っているスーパーKMEWシールとは大きな違いです。

ゼッキーがこの世を去るまでの50年(予定)までに4〜5回も打ち直さなければならないではありませんか!こんなシーリングとてもじゃないですがゼッキーの家には採用できません。

旭トステム高耐候シーリングの耐久性は16年しか確認されてない

この時点で旭トステムの高耐候シーリングには期待していないゼッキーですが、念のため旭トステム(AT)の高耐候シーリングの耐久性試験結果についても見てみました。下の図をご覧ください。

旭トステムATの高耐候シーリング 耐久性試験結果

↑旭トステムの高耐候シーリングの耐久性試験は4000時間[16年相当]まで(ATのHPからお借りしました)

まずは時間表記の仕方がイケてないです。

「4000hr」との記載です。

加速試験の実時間を記載したところで消費者には何のことかわかりません。下のほうに小さく「250〜350hrが1年に相当します」と書いていますが、いちいちこちらが計算しなきゃなりません。

なんて気が利かないんでしょう(ったく旭トステムの○×◆・・・・・)。

・・・っと失礼しました。換算すると4000hrは11〜16年に相当します。

KMEWのスーパーKMEWシールが10000時間(30年相当)までの耐久性試験結果を公表しているのに比べると、旭トステムの高耐候シーリングの性能が劣ることは明らかです。

スーパーKMEWシールと旭トステム高耐候シーリングの値段比較!

じゃあ値段はどうなん?

やっぱり性能に勝るスーパーKMEWシールは価格も高いのか!?

ということで、スーパーKMEWシールと旭トステムの高耐候シーリングの価格を比較しました。下の図をご覧ください。

スーパーKMEWシールの価格:600mlで税抜き3800円

↑スーパーKMEWシールは1本600mlあたり税抜3800円!(KMEWのHPからお借りしました)

旭トステムATの高耐候シーリングの価格:320mlで税抜き2760円

↑旭トステムの高耐候シーリングは1本320mlあたり税抜2760円!(ATのHPからお借りしました)

容量が違っていて比較しにくいので、100ml当たりの値段に換算してみましょう。

  • スーパーKMEWシールの価格:3800円÷6 = 667円(税抜き、100mlあたり)
  • 旭トステムの高耐候シールの価格:2760円÷3.2 = 863円(税抜き、100mlあたり)

まぁ、なんということでしょう!?

スーパーKMEWシールの方が性能がよいにも関わらず2割程度も安いではありませんか!

・・・っということで、シーリングの性能比較対決では、性能でも価格でもスーパーKMEWシールに軍配が上がるのでした。

KMEWは高耐候シーリング、旭トステムはシーリングレスの方向へ・・・

シーリングについてKMEWと旭トステムの2社の製品を比較した結果、KMEWに軍配が上がりました。

ただし、この結果の裏には2社の描く将来の姿が異なっていることがあります。

旭トステムが描く将来の姿はズバリ「シーリングレス」です。

旭トステムの持つ強い武器「ガーディナル」という外壁シリーズがこの将来を担っています。このシリーズは外壁の組み立て方を工夫することにより、シーリングを用いない外壁です。

旭トステムはガーディナルに今後力を入れていくため、シーリングの性能向上にあまりまじめでないのです。

ちなみにこのガーディナル、シーリングレスで魅力的なのですが、めっちゃ高いです!

ゼッキーも旭トステムに見積もりを取ったことがありますが、ゼッキーの家(2階建て、延床29坪)でオプション価格80万円くらいしました。。外壁自体の材料費でなく、工事費が高いのです。シーリングレスとするために特別な技術が要求されるのです。

ということでシーリングレスの外壁普及にはもう少しかかりそうです。ゼッキーはお手軽なスーパーKMEWシールを採用するのでした♪

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